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ハードディスクが動かない
「パソコンが起動しない。」
と連絡をいただきました。

物はDELLのOptiPlex780。
小型のデスクトップで、場所をとらずに使いやすいです。

伺って動作確認のために電源ON。
DELLのロゴが表示されますが、システムドライブが無い旨のメッセージが表示されて起動しません。そこでBIOS画面からHDDの接続を確認すると、HDDが認識されていないことがわかりました。これは、ハードディスクに重大な障害が発生した可能性があります。(または、単純な接触不良)

このパソコンには大事なデータと、再インストール不可のソフトが入っているそうで「なんとか復旧できませんか?」と言われてしまいました。
あまり良い状態ではなさそうですが、とりあえず持ち帰って確認することにしました。

持ち帰って早速分解。認識されないHDDを取り出します。入っていたHDDは320GB、seagateのST3320418ASでした。

HDD_label.jpg

接触不良やパソコン本体の不具合でHDDを認識しないこともありますから、メンテナンス用のPCに接続して状態を確認します。しかし結果は変わらず。メンテナンス用PCでもハードディスクは認識されません。

何が原因だろう?
そう思いながらHDDに耳を近づけると、モーター音が全く聞こえません。電源を入れ直してもその状態は変わらず、どうやらモーターが動いていないようです。

モーターが動いていないと言う事は
 1.ディスクの固着
 2. モーターの焼き付き
 3. モーターの焼き切れ
 4. 基板の損傷
 5. 接触不良

などの原因が考えられます。
モーターの故障やディスクの固着だとすると、ハードディスクを分解してモーターやヘッドの交換などの修理をする必要があります。当然、データの読み出し率は著しく低下してしまいます。データのバックアップはありますが、ソフトのインストールができませんからシステムの完全復旧は無理です。う~ん、ガッカリ。。。

「それでも。。」と思ってディスクの回転方向にHDDを軽く振ってみました。すると、かすかにディスクが回転している雰囲気があります。って事は、焼き付きや固着では無い、って事です。
もしかしたら・・・と思い、HDD本体から基盤を外してみると、チップが一つ破裂しているのがわかりました。

HDD_Broken.jpg


チップから白い何かが吹き出しています。
封入に使われている樹脂でしょうか?




このチップは、モーターを制御している物だと思います。この故障なら、システムを復旧させられるかもしれません。

方法は、同じ型番の基盤と交換すること。

もちろん、単純に交換しただけではダメです。交換する基盤の選定をしっかり行い、その上で必要な部品の貼り替えを行う必要があります。絶対に上手くいくとは言い切れませんが、システムの復旧の可能性はあります。

早速部品の調達。
時間はかかりましたが、運良く同じ基盤を手に入れることができました。

HDD_swap.jpg


一部の受動部品の型番は違いますが、主要な部品は同じ。交換用として使えそうです。


必要なチップを貼り替え、問題なく作業できているかルーペで隅々まで確認。恐る恐る電源を入れると、異音なくモーターが回転を始めました。seagateにありがちなディスクのロックが心配でしたが、幸いロックはかかっていません。問題なくデータを読み出せそうです。

しかし安心するのはまだ早いです。
何しろ移植手術をしたHDDですから寿命が心配です。間髪入れずに交換用HDDに全データのコピーを開始しました。コピーは順調に進み、途中で引っかかることやエラーを出すこともなく、定時で終了しました。

それを元のパソコンにセットして電源を入れると・・・起動しました!
ファイルのエラーやシステムのエラーをチェックしてみましたが、おかしなところは一つもなく、全てが元通りになりました。

パソコンの内部を掃除して組み立て。お客様のところにお届けして動作確認。何の問題も無く動作することが確認できました。部品の調達に時間がかかってしまいましたが、良い結果が出せてよかったです。

しかしこの先、同じようなトラブルが起きないとも限りません。お客様にはデータのバックアップだけではなく、システム全体のバックアップをとるようにご提案させていただき、今回の対応を終了させていただきました。


・・・数日後。

お客様からシステム全体のバックアップのご依頼をいただきました。これでいつ同じトラブルが発生しても完全に復旧させることが出来ます。
よかった、良かった。。。(でも、トラブルがない事が一番です。)
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テーマ:パソコンサポート
ジャンル:コンピュータ
パソコンに麦茶をかけちゃった!
「パソコンに麦茶をかけちゃった!」
と、ご連絡いただきました。

物はNECのノートパソコン、『LaVie G タイプL GN247C/F2』。型番はPC-GN247CFA2です。真っ赤なボディーにタッチスクリーンの、ちょっとお高いパソコンです。

imge015014591.jpg

メーカーに電話で相談したら、キーボードとマザーボード交換が必要で、費用は8万円だと言われたそうです。
「なんとかなりませんか?」
と言われてしまいました。

麦茶をかけた時はすぐに拭いたのはもちろん、電源を切ってバッテリーを外したそうです。そしてネットで検索して『逆さにすると良い。』という情報を得たため、不幸な事故の5分後ではあるけれど、逆さにしたそうです。
電源を切ってバッテリーを外し、しかも逆さにした?なんだか、すごく良い対応をしてらっしゃいます。

分解して中を見るまで状態は解りませんが、もしかしたらそんなに悪い状態ではないかもしれません。しかし、お客さんのお宅で分解するのはちょっと無理です。お預かりして点検することになりました。


持ち帰って早速分解です。まずキーボードを外してみます。

すると、キーボードすぐ下の金属板には、全く濡れた跡はありません。
これなら、マザーボードまでは濡れていませんね。

IMG_4064.jpg

念のためさらに分解。
マザーボードが見えるところまで分解しましたが、マザーボード上にもその周囲にも、濡れた跡はありませんでした。

IMG_4059.jpg

内部まで麦茶が浸透した跡は見つからなかったので一安心。後はパソコンを組み立てて、キーボードの動作確認をします。

キーボードの動作チェックには、kbvと言うソフトを使ってみました。
このソフトは画面上にキーボードが表示され、しかも実際に押されたキーが赤くなるのでキーボードの動作確認にはもってこいです。

電源を入れてWindowsを起動。
kbvのキーボードを画面に表示し、キーを一つずつ押しながら動作不良がないか確認します。その結果、動作に問題はないことがわかりました。
この先、不具合が出てくるかもしれませんが、現時点でちゃんと動いているキーボードを交換する必要はないでしょう。おかしな動作をするようになってからの交換で良いだろうと思います。

と言う訳で内部・外部を軽く清掃し、お客様にお返ししました。念のため、後々キーボードの反応が悪いなどの問題が出る可能性がある事をお伝えしてあります。そのときはもちろん、格安で交換することもお伝えしました。



ちなみに今回、お客さんが行ったパソコンを逆さにすると言う行動。ノートパソコンに液体をかけてしまったときの対応としてはとても良いです。
これをするとボタンの裏側には液体が溜まってしまいますが、キーボード内部の基板(ペラペラのビニールの板です)や、さらに奥のマザーボードなどに液体が入り込むのを防ぐことができます。
やり方は、

 1. すぐにパソコンを逆さにする
 2. パソコンをシャットダウンする
 3. バッテリーを抜く
 4. できるだけ水分や汚れを拭き取る
 5. 乾燥させる

乾燥させる時は画面を開いたまま、タオルなどの上に置くと良いです。


IMG_4066.jpg


← 乾燥させるときのスタイル。
ちなみにこれは、タオルではなくペットシート。

・・・あ、パッテリーは外してください。



かけた液体の量が少量で、糖分が入っていないお茶などであればこれでなんとかなるでしょう。糖分が入っていたり、いろいろなエキスが入っている物の場合、キータッチの感触が悪くなるかもしれません。

そして可能であれば、

 6. パソコンの専門家に点検を依頼する

と言うことをして頂ければ、安心ですね。
パソコンが起動しない
パソコンが起動しなくなった、とご連絡を頂きました。

PC-VN770CS6B.jpg

物は、NECのPC-VN770CS6B。
Windows7のSPが無い頃のパソコンです。

勝手にWindows10になってしまい、その頃から動作がおかしくなり始めたとのこと。
それってずいぶん前?と思ったのですが、お客様の話では『数ヶ月前』だそうです。

なんだか時間にズレがあるような気がしますが、これは相当前からおかしかった可能性があります。
話しをまとめると、

・勝手にWindows10になった。
・その頃からおかしくなり始めた。
・ディスクのチェックが始まったが、なかなか終わらない。
・終わってもWindowsは起動しない。

どう考えてもHDDの不具合の可能性が濃厚です。
たぶん、重傷かも。。。
大切な写真や動画が沢山あるので、何とか吸い出して欲しいそうです。

状況から考えて、「確認しますぅ~」なんて言いながらHDDのチェックをしてしまうと、二度と読み出しが出来なくなる可能性があります。HDDを取り出し、メンテナンス用PCに接続してすぐにサルベージ作業に入ることにしました。

その結果・・・

読み出しに丸々3日かかりました。
(危なかった。3日で済んで良かった。)

とりあえずの読み出しには成功したので、そのデータをバックアップ用のHDDにコピー。(ディレクトリ情報が破損していたため、さらに解析してからのコピーになりました。)
そして、お預かりしたPCに新規のハードディスクをセットし、Windowsをインストール。
幸い、お客様はリカバリディスクを作っておられたのでWindows7のインストールは難なく完了。
Windows10へのアップグレードをご希望なので、そのままWindows10へ。
Officeをインストールし、OfficeとWindowsのアップデートを全て適用しました。

データはほぼ100%復旧でき、快適に動くようになったパソコンを見て、お客様が一言。
「こんなに快適に動くことは今までなかった!」だそうです。
こんな風に言われると、うれしいですね。

ただし今回のPC、メーカーではWindows10へのアップグレードはサポート対象外です。
当然、動作しないソフトがいくつか出てしまいました。
しかしお客様は「そのソフトは使わないから。」と言う理由でWindows10へのアップグレードを希望されました。

使わないソフトが動かないだけなら、OSは新しくした方が良いですよね。
起動はするけど、デスクトップが真っ黒
Windows7を使われているお客様。
起動はするけど画面が真っ暗で、ゴミ箱しか表示されないと言うことです。

症状を確認してみると、

1. 起動途中に『デスクトップを構成しています。』と言う表示が出て、
  とにかく起動に時間がかかる。
2. 起動しても壁紙が表示されず、コントロールパネルなどが使用できない。
3. 『userprofileが参照できない』旨のメッセージが表示される。
4. デスクトップアイコンが表示されない。デスクトップの重要なファイルが無くなった。

上記の事から、どうやらユーザープロファイルが壊れているらしいと言うことがわかります。
ハードディスクの故障を疑いましたが、調べてみると問題なし。
そこでシステムの復元を試してみると、無事復旧することができました。

しかし安心したのもつかの間。
windows updateを実行し、MSSE(Microsoft Security Essensials)でチェックをすると、また同様の症状になってしまいます。

いろいろ調べてみると、どうやらMSSEで不具合があるようです。
2017/08/31の定義でMSSEを更新し、その定義でスキャンをすると同様の症状が出ることが確認できました。
(この記事を書いている時点で、MSSEの定義はさらに新しい物になっています。それを適用すれば不具合は出ないようです。)

というわけで対応方法は、以下の通り。

1. システムの復元をする
  全てのプログラム>アクセサリ>システムツール>システムの復元
  8/31以前の復元ポイントでシステムを復元する
2. MSSEを更新する
  MSSEを表示させ、更新タブから『定義の更新』をする
3. MSSEの定義の日付を確認する
  上記更新タブから、定義の日付が8/31以外であることを確認する

この不具合は、MSSEの定義が8/31でスキャンした場合に出る不具合のようです。
すでに定義が8/31以外であれば、スキャンしても問題は出ないようです。
また、定義が8/31になっていても、スキャンしなければ問題はないようです。


ただし、上記復旧作業をするのにちょっと不安な部分があります。
復旧するのに使う『システムの復元』が正常に終了しない場合があると言う事です。
復元のためのデータが壊れているか、そもそもシステムの復元が『無効』に設定されている場合などがそうです。

その場合の復旧方法は、userprofileの再作成か、レジストリの修復か。
最悪の場合、復旧はあきらめてWindowsの再インストールやリカバリになってしまうかもしれません。
これらの方法は試していないので何とも言えません。
インターネットに繋がらない
「インターネットに繋がらないんですけど。」
と言うお電話を頂きました。

2台あるパソコンを有線でネットに接続しているそうですが、一台だけインターネットが使えないと言う事です。
ご自分である程度チェックをされたそうで、

  ・ ルーターへのpingは通るけど、グローバルIPアドレスにはpingが通らない
  ・ 正常動作するパソコンと不具合のあるパソコンを交換しても症状は変わらない

との事。
ちなみに「ping」とは、LANの接続がちゃんと繋がっているか確認するときに使うコマンドで、コマンドプロンプトから行います。
やり方は

 1. コマンドプロンプトを開く
   windowsキー + Rキーで「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開く
   「cmd」と入力して「OK」をクリック
 2. pingコマンドを入力する
   ping 192.168.1.1 等と入力
   ping www.yahoo.co.jp 等、ドメイン入力でもOK

症状からして、ルーターに何か不具合が起きている可能性もあります。伺ってネットワーク全体をチェックしないと何とも言えない状況ですが、お客様が言うには「今から横須賀に行く用事があるから、ついでに持っていく」とのこと。

自分  「横須賀に行く?どちらにお住まいですか?」
お客様 「小田原です。」
自分  「え?!・・・お待ちしております。」

出張費を考えたら、ついでの用事で持ってきてくれればその方が安いです。もしルーターの不具合だとしたら、その時に改めて伺えば良いことですから。

さて、持ってきて頂いたパソコンはiiyamaのデスクトップパソコン。
Windows10にアップグレードしてあります。

早速チェックをしてみると、当店の環境でもローカルエリア(ルーター)にはpingが通りますが、グローバルIPアドレスには通りません。ただ、起動直後はグローバルIPアドレスにもpingが通ることが有り、何かのソフトが悪さをしているようです。

色々調べていくと、どうやら原因はマカフィーインターネットセキュリティの動作不具合らしいと言う事が分かりました。お客様はMcAfeeのアカウント情報を持ってこられたので、ここは手っ取り早く再インストールして様子を見ることにします。

しかし、McAfeeがまともに動きません。当然、アンインストールもできず。。。
仕方なく、マカフィーのサイトから削除ツールをダウンロード。

マカフィー・個人向け製品専用削除ツール(MCPR.exe)の使用方法

2013年度までのマカフィー・コンシューマー製品が対象らしいですが、とりあえず実行・・・まともに動かず。
ネットワークとセーフモードで起動すると、今度はちゃんと動いてくれました。

削除完了後、通常起動を行ってからpingを打つと、今度はグローバルIPアドレスも反応します。ブラウジングも行えるようになりました。
改めてMcAfeeをインストールしてもネット接続は正常。そして、McAfeeはさっきよりもサクサク動きます。やっぱりちょっと(だいぶ?)おかしかったんですね。

お客様に聞くと、今回の不具合はWindowsUpdateをした時からおかしくなった、とのこと。毎日パソコンを使うわけではないのでハッキリしないけど、直前に行ったのはそれぐらいだと言う事でした。

確かに、今回のWindowsUpdateはちょこちょこ不具合報告があるようです。
他のお客様でもネットに繋がらなくなったという声を聞きますし、場合によっては「データベースが動かなくなった!」なんて事もあるそう。なんだか色々やっちゃった感がぬぐえないWindowsUpdateだったようです。

と言う訳で、今回の作業は完了。
お見送りをしようと表に出ると、お客様は車の中でなにやらゴソゴソ。何だろう?と思っていると、『お土産!」と手渡されました。

小田原うさぎ

ありゃぁ!ごちそうさまです!!
甘い物、大好きなんです。(喜)