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ハードディスクと蝶番と
「パソコンは起動しているみたいだけど、画面が表示されない。」と連絡を頂きました。

dynabook_T3501.jpg

修理後の写真です。
2010年のパソコンですがまだまだキレイ。現役で使えます。


物は東芝のノートパソコンT350/36ABD。2010年のモデルです。
もともとWindows7で使っていましたが、例によって勝手にWindows10になり、そのまま使い続けていたそうです。
東芝ではWindows10へのアップグレード対応を行っていない機種で、バンドルソフトなどは一部が動かないようです。しかしドライバはありますので、バンドルソフトを使わないのであればパソコン自体は問題なく動きます。
お客様はネットとOfficeさえ動けば良いようで、それならWindows10で全く問題ありません。

さて、Windows10にアップグレードしたパソコンで起きる不具合に「接続されているハードウェアが認識されない」と言うのがあります。
この症状の具体的な物の1つに、今回の症状である「起動しているのに画面が表示されない」と言う物もあり、これらの問題は「高速スタートアップを無効」にすることで解決することがあります。

高速スタートアップを無効にする方法は以下の通り。(NECのサイト)

Windows 10で高速スタートアップを無効にする方法

この方法で通常のスタートアップになり、接続の不具合は解消され、今回のような「画面が表示されない」などの問題も解消します。起動の度に不具合が出るのであれば、上記サイトにあるコントロールパネルからの「高速スタートアップの無効化」を行うのが良いでしょう。

・・・しかし、

今回の原因は高速スタートアップではありませんでした。
通常起動しても症状は変わりません。「ようこそ」の画面が表示されるであろうタイミングから全く画面が表示されないのです。
それもそのはず。チェックしてみると、ハードディスクにエラーがありました。ハードディスクの不具合による、起動不良って事です。

早速、ハードディスクを購入して丸ごとコピー。
その上でシステムの修復。
それでも起動せずにシステムの復元。
復元が失敗するのでシステムファイルのチェック。
しかし、チェックプロセスその物がまともに動かず・・・。

・・・八方ふさがりって、こう言う事でしょうか。。。

どうやらハードディスクのエラーでシステムの大事なところがやられてしまっているようです。こうなると、何らかの方法で修復が成功したとしても後々の動作不良が心配です。

こうなったら方法は1つ。

お客様の了解を頂き、データの吸い出しとWindows10の再インストールで解決としました。(敗北感イッパイ)
でも、まぁ、症状からして、後々のことを考えればこれが最善の方法であろうと思いますけど。。。



で、実は不具合はもう一つ。

このパソコン、ディスプレイ向かって左の蝶番が壊れています。開閉をする度にパカパカと蝶番部分のトップケースが口を開けてしまいます。

dynabook_T3502.jpg

壊れていた蝶番部分。
ディスプレイを開閉するとパカパカしていたのが直りました。ネジが入っている部分がちょっと膨らんでしまっています。



お客さんに伝えると「え?ホント!?」と全く気がついていなかった様子。気がついていないんだから開閉に気を遣うはずもなく、内部の固定部分の樹脂はボロボロ。外周りまで割れていなかったのが不幸中の幸いという感じでした。

樹脂部分は一度割れてしまうと修復が大変です。
簡単に思い付くのが瞬間接着剤です。しかしあれはCMを見ると強そうな気がしまが材質を選びます。それに、力のかかる場所で上手く行ったことがありません。事実、今回の材質はABS樹脂なので、通常の瞬間接着剤では無理です。
どうしようかとさんざん悩みましたが、今回は偶然良い材料が見つかって修復することができました。次回からの修復に役立てられそうです。

と言うわけで、Windowsの起動(一応)も、蝶番の不具合も問題なし。
無事、お客様の所へ引き取られていきました。

正直、今回は蝶番の修復の方が気を遣いました。
力がかかる場所ですから、いい加減な修理ではすぐに壊れてしまいますからね。

後日、念のため、電話で様子伺い。
すると、「起動も蝶番も問題なし」と言って頂いたので、どうやら修理は上手く行ったようです。
安心しました。
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